先日、支援先企業で、新たに構築した人事制度について、社長と専務から部門責任者への説明が行われ、私も同席しました。
この会社では、これまで責任者が経営に参加する仕組みづくりを進めてきました。
会社の方針を共有し、責任者自身が部門の課題や目標を考え、具体的な行動計画を立てて実行する。
こうした取り組みを進める中で、次の段階として、社員一人ひとりの仕事や成長を会社の方針と結びつけるため、人事制度を新たに構築することになりました。
今回見直したのは、等級制度、評価制度、賃金制度、退職金制度の四つです。
社員の成長が、処遇の改善につながる仕組み
新しい制度では、それぞれの社員に求められる役割や仕事の水準を明確にし、その達成状況や日々の取り組みを評価していきます。
どのような仕事ができるようになれば、次の等級に進むことができるのか。
どのような成果や行動が評価され、賞与や昇給につながるのか。
社員にとって、自分に期待されていることや、今後目指す姿が分かる仕組みをつくりました。
また、個人の評価だけでなく、会社全体の業績も賞与や昇給に反映される仕組みとしています。
社員一人ひとりが成長し、会社の業績も良くなれば、その成果が社員の処遇にも還元される。
さらに、日々の仕事を通じた成長や評価の積み重ねが、将来の退職金にも反映される仕組みです。
社員の成長と会社の発展、そして社員への還元を結びつけることを目指しています。
評価制度は、責任者と一緒につくる
今回の制度づくりで、特に大切にしたことがあります。
それは、評価制度を会社の実態に合わせて、部門責任者と一緒につくり上げていくことです。
人事評価制度には、一般的な評価項目やひな型が数多くあります。
もちろん、そうしたものを参考にすることはできます。
しかし、会社によって事業内容も仕事の進め方も異なり、部門によって求められる役割も違います。
今回、専務は部門責任者一人ひとりと話し合い、それぞれの職務内容や責任者が大切にしていること、部下に期待することなどを丁寧に確認していきました。
その内容を踏まえて、どのような成果や仕事への取り組みを評価するのか、評価項目や配点を具体化していきました。
これは、相応の時間と手間がかかる作業です。
しかし、責任者自身が、部下にどのような仕事を期待し、どのように成長してほしいのかを考え、それを評価制度に反映していく。
私は、この過程そのものに大きな価値があると感じています。
評価制度は、単に社員に点数をつけるためのものではありません。
会社の方針を、それぞれの部門や社員に求められる仕事へと具体化し、日々の行動につなげていくための仕組みでもあります。
制度をつくる過程にも意味がある
今回の制度づくりには、社長、専務、部門責任者、そして支援する私も、多くの時間をかけてきました。
議論を重ねる中では、どのような役割を社員に期待するのか、何を評価することが会社の成長につながるのか、何度も考えることになりました。
制度の内容を整えるだけであれば、もっと短い時間でできたかもしれません。
しかし、会社をこれからどのように成長させていきたいのか、そのために社員一人ひとりにどのような役割を担ってほしいのか。
こうしたことを経営者と責任者が話し合い、共通の認識を持つことが大切だと考えています。
今回の制度づくりは、人事制度を整備する取り組みであると同時に、会社の方針や目指す姿を、具体的な仕事や行動に結びつけていく取り組みでもありました。
制度は、運用して初めて意味を持つ
今回、まずは部門責任者に対して、制度の説明が行われました。
来月には、社長と専務から社員全員に向けて、新しい制度の説明が行われる予定です。
社員にとっては、自分の仕事がどのように評価され、今後の成長や処遇にどうつながっていくのかを理解する大切な機会になります。
今回、時間をかけて構築した新しい人事制度ですが、制度はつくって終わりではありません。
実際に運用する中で、評価項目が仕事の実態に合っているか、社員の成長につながっているか、会社の方針と日々の行動が結びついているかを確認していくことが大切です。
制度を運用し、その結果を確認し、必要に応じて改善を重ねていく。
こうした取り組みを継続することで、人事制度が社員の成長と会社の発展を支える仕組みとして、より良いものになっていくと考えています。
これからも社長と専務、社員の皆さんと一緒に、制度の運用と改善を進めながら、社員一人ひとりの成長が会社の成長につながる仕組みづくりを支援していきたいと思います。
