先日、支援先企業の営業会議に参加しました。
営業担当者から担当する市場や得意先の状況について報告が行われましたが、その中で印象に残ったことがありました。
ある営業担当者は、得意先ごとの売上実績や前月との比較を丁寧に説明していました。
しかし、その内容は数字の報告が中心でした。
そこで私は、次のようにお伝えしました。
「数字だけを報告するのではなく、その数字から何が読み取れるのか、自分なりの仮説を持ってほしいと思います。」
売上が伸びたのはなぜか。
逆に、なぜ減少したのか。
競合の動きなのか。
担当者が変わった影響なのか。
お客様の設備投資が止まっているのか。
数字はあくまで結果です。
営業会議では、その数字から仮説を立て、その仮説に基づいて次の行動を考えることが重要です。
また、その会社には、お客様ごとのキーマンや取引履歴、販売商品のデータが蓄積されています。
どの部署へ働きかけるべきなのか。
誰に提案することが効果的なのか。
同じ業界の他のお客様では採用されている商品が、まだ提案できていない得意先はないのか。
そのような情報も活用しながら、提案の方向性を考えていくことをお願いしました。
仮説は、具体化して初めて行動になる
別の営業担当者からは、新しい市場への取り組みについて報告がありました。
既存商品の販売拡大が難しい状況の中、新しい商品への取り組みを進めていますが、具体化のスピードがやや遅れている印象を受けました。
そこで、
「今の段階だからこそ、進捗を見える化していきましょう。」
とお伝えしました。
サンプルが完成した商品については、
- 提案先を整理する。
- 訪問日を決める。
- お客様の反応や要望を記録する。
- 次回の営業会議で検証する。
ここまで具体化して初めて、組織として検証し、次の提案へつなげることができます。
仮説だけでは成果は生まれません。
具体的な行動へ落とし込み、その結果を振り返ることで、初めて次の改善につながります。
会議の中で営業戦略が動き始めた
会議では、営業体制についても議論になりました。
伸びしろのある市場には営業人員を重点的に配置した方がよいのではないか。
兼務できる市場があるなら挑戦してみよう。
そんな話し合いが進み、営業責任者はその場で対象企業のホームページを確認しました。
すると、自分の担当商品も提案できる可能性があることが分かり、
「早速、行ってきます。」
という言葉が返ってきました。
会議の中で営業戦略が具体的な行動へ変わった瞬間でした。
私は、このような瞬間をとても大切にしています。
新しい挑戦は、思った以上に進まない
営業会議終了後も、責任者との話し合いは続きました。
次回の営業会議では何を確認するのか。
どのテーマを深掘りするのか。
あらかじめ議題を整理し、出席者へ共有して準備を進めようという話になりました。
その中で、私はこんな話をしました。
「私の肌感覚ですが、新しいことに挑戦するとき、多くの場合、思っている以上に進みません。」
現状の仕事だけでも日々忙しく、新しい取り組みはどうしても後回しになりがちです。
今すぐ困るわけではない。
だから、つい先送りになってしまう。
しかし、その積み重ねが、会社の成長を少しずつ止めてしまいます。
だからこそ、営業会議で進捗を確認し、課題を整理し、次に何をするのかを具体的に決めることが重要だと考えています。
伴走支援の役割
私はこれまで、多くの営業会議に参加してきました。
数字の報告だけで終わる会議。
原因や仮説が十分に議論されない会議。
「頑張ります。」で終わってしまう会議。
そのような場面も少なくありませんでした。
営業会議の目的は、数字を報告することだけではありません。
仮説を持ち、具体的な行動へ落とし込み、その結果を検証し、次の提案につなげること。
私は、その繰り返しが営業力を高め、お客様への新しい価値の提供につながると考えています。
そして、この考え方は営業会議だけではありません。
製造現場の改善でも、商品開発でも、店舗運営でも同じです。
仮説を持ち、具体化し、行動し、検証する。
この循環を愚直に回し続けることが、会社の成長につながります。
一方で、新しい取り組みは、多くの場合、思った以上に進みません。
だからこそ、私の役割は答えを示すことだけではありません。
問いを投げかけ、仮説を具体化し、行動につなげ、その進捗を確認しながら、ときには経営者や社員の背中を押していく。
新しい挑戦が途中で止まらないよう伴走し続けることも、私の大切な役割だと考えています。
