営業会議を、新しい案件を生み出す場へ

先日、支援先企業で、社長と営業責任者とのアクションプラン会議に参加しました。

この会社では、以前は営業会議の多くの時間を数字の報告に使っていました。

しかし最近では、数字の報告時間はかなり短くなり、新規案件や新しい事業について話し合う時間が増えています。

今回の会議では、さらに一歩踏み込んで、

「数字の報告に、これ以上時間をかける必要があるのだろうか」

という話になりました。

数字については、会議の前日までに実績と予算との差異、その理由を記載した資料が経営者と責任者に共有されています。

もちろん、数字を確認することは重要です。

しかし、事前に確認できる情報を会議の場で改めて報告するよりも、それぞれが営業活動や戦略をどのように実行しているのか、そこで何がうまくいき、何がうまくいかなかったのかを共有する。

そして、新しい案件をどうすればもっと生み出せるのかを話し合う。

そうしたことに時間を使ったほうが、はるかに生産的ではないか。

そんな話へと議論が広がっていきました。

目次

新しい案件を、どうすれば継続的に生み出せるのか

この会社ではこれまで、顧客の困りごとを起点に、いくつもの開発案件を生み出してきました。

その中には、すでに事業として軌道に乗り始めているものもあります。

一方で、次の課題も見えてきました。

これからも新しい案件を生み出し続けるために、その「ネタ」をどうやって見つけていけばよいのか。

今回、私からこの問題を投げかけたところ、数名の責任者も以前から同じような問題を感じていました。

新しい案件をもっと生み出していきたい。

しかし、どうすれば生み出せるのか、自分たちにもよく分からない。

責任者自身にも分からないことを、部下に「新しいネタを探そう」と言っても、部下はもっと分からないのではないか。

そんな話が出てきました。

さらに、責任者からは、

「そもそも、すべて個別の話ではないか」

という意見も出ました。

顧客によって困っていることは違います。

困りごとが出てくる場面も違えば、その解決方法も違います。

何か一つのやり方を決めれば、新しい案件を継続的に生み出せるというものでもないのではないか。

議論を続けましたが、簡単に答えが出る問題ではありませんでした。

システムを導入すれば、案件の芽は見つかるのか

実はこの会社では以前、新しい案件につながる情報を集めるために、営業情報を共有するシステムを導入したこともありました。

しかし、システムを導入すれば自然に情報が集まり、新しい案件が生まれるわけではありませんでした。

振り返ってみると、その前に考えなければならないことがあったように思います。

営業担当者は、日々お客様と接する中で、さまざまな話を聞いています。

その中には、本人にとっては何気ない話でも、責任者が聞けば、

「それは重要な情報ではないか」

と感じるものが含まれているかもしれません。

しかし、営業担当者自身がその意味に気づかなければ、重要な情報もそのまま素通りしてしまいます。

では、どうすればその感度を高めることができるのか。

「顧客の困りごとを聞いてきなさい」と言うだけで、本当にできるようになるのか。

これも、「こうすればできる」という簡単な答えは出ませんでした。

むしろ、一つの方法やツールで解決しようとするのではなく、それぞれが顧客との接点で得た情報を持ち寄り、

「これは何かにつながらないか」

「別のお客様でも似た話はなかったか」

「自社だけではできなくても、他社と組めばできないか」

と、みんなで考える。

そうした経験を繰り返す中で、これまでなら聞き流していた顧客の言葉にも、少しずつ気づけるようになるのではないか。

そんな方向へ話が進んでいきました。

営業会議で試してみる

そこで、次回の全体会議では、これまでとは少し違う進め方を試してみることになりました。

まず、責任者を含む営業担当者全員が、予算を達成するためにこれから何をするのか、自分のアクションプランを発表します。

さらに、中長期的な視点から、

「顧客は何に困っているのか。そして、自分たちはそれをどのように解決できるのか」

についても、それぞれが考えて発表します。

発表された内容については、最初から否定的な意見を出さないことにしました。

「それは難しい」

「できない」

「うまくいかないのではないか」

で終わらせるのではなく、

「どうすれば実現できるか」

という視点から意見を出し合います。

一人では気づかなかったことでも、他の営業担当者や責任者の経験や知識が加わることで、違った見方が生まれるかもしれません。

その中から可能性のあるものが出てくれば、具体化し、実行につなげていきます。

もちろん、実際にやってみなければ、どのような会議になるのかは分かりません。

最初から完成させない

今回の話し合いの最後に、社長がこんな趣旨の話をされました。

最初から細かなルールを決めて、がちがちに運営する必要はない。

まずは緩やかな形で始めてみて、実際にやりながらどんどん修正していけばよい。

私もその通りだと思います。

新しいシステムを導入すれば、新しい案件が生まれるわけではありません。

かといって、新しい案件を生み出すための一つの法則があるわけでもないでしょう。

顧客も違えば、困りごとも違います。

そこに気づく人も、解決の方法も、その都度違います。

だからこそ、それぞれが現場で得た情報や経験を持ち寄り、みんなで考える。

そこから可能性のあるものを見つけ、具体化し、まずやってみる。

そして、うまくいかなければ、また考えて修正する。

会議のやり方そのものについても、同じように試行錯誤していけばよいと思います。

数字を報告するだけの営業会議から、営業活動のプロセスや成功・失敗を共有し、顧客の困りごとについてみんなで考える営業会議へ。

そこで、一人では見過ごしていた情報に誰かが気づき、そこから新しい案件の芽が生まれてくる。

営業会議を、そんな場に変えていくことができるのか。

次回の会議で、まず試してみることになりました。

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