経常利益率について「熱くなれ~稲盛和夫魂の瞬間」を読んで思うこと

先日書店にぶらっと入りましたら「くなれ 稲盛和夫の瞬間」(稲盛ライブラリー+講談社)が目に留まりましたので購入しました。今回の書籍は氏に関った方々の寄稿文が多く含まれ、側面からの稲盛像が見えてきて新鮮でしたね。

その中で、経常利益率について書かれている箇所がありましたのでご紹介します。

氏は盛和塾(稲盛氏が主宰していた経営塾)の塾生に「業種に関係なく、事業を営む以上は最低でも10%以上の利益率をあげられないようでは、企業経営のうちには入りません」と言い続けていたそうです。

ここでいう利益率は売上高対経常利益率です。

会社経営または事業運営をされている方であれば、この数字がいかにとんでもない数字かお分かりになると思います。売上高対総利益率(粗利益率)が10%未満の会社も結構ありますので、桁違いに大きな数字ですよね。

経常利益率1%未満が多く、経常利益率が2%で黒字が続いていればまずまず、5%以上あれば高収益というのが中小企業におけるわたしの実感ですが、今回この書籍を読んであらためて考えてみますと、

2%とか3%という比率は、今期(1年間)の業績にしか焦点が当たっていない(意識が向いていない)ということなんだと思います。

今後、事業を発展させるためには資金を蓄積していく必要がありますし、いつ襲ってくるか分からない災害やコロナ禍などの突発的リスクにも耐えられる財務基盤(借入を減らし、自己資本を大きくする)にしていく必要があります。

そう考えれば、これらに備える手当が必要です。これら手当を費用に置き換えるならば、必要な利益水準は当然高くなりますよね。

稲盛氏の言う利益率とは、現在のみならず将来に備えた利益の獲得ということになるんだと思います。そこまで含めて考えるのが企業経営ですよ。と稲盛氏は言われているんだと自分なりに解釈しました。

1年間の業績が良かった悪かったではなく、将来的に会社の発展、財務基盤の充実を行うためにはこれだけの利益が必要だと計算し、その認識をもって行う経営と、そうでない予算運営では、大きな差が出てきますものね。

ご紹介した経常利益率は以前から知っていましたが、再考する良い機会になりました。ご紹介した書籍は書店で平積みになっていると思います。ご興味ある方は一度お読みになってはいかがでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次